染め知識

染め色について

染め直しカラーについては、お客様の品物の状態お客様の要望を元に決定していきます。シミ・変色・退色がある衣類はシミと同系色の色、または濃度の濃い色で染め直す必要があります。

基本色

※基本色以外の色もお選びいただけますが、別料金になります。基本色¥5000 基本色以外¥10000

洗濯ネーム&ブランドタグについて

商品を染める際にボディー素材と洗濯ネームやブランドタグが同素材の場合同じく染まってしまいます。
また異素材の場合であっても濃色を染める際には汚染して色が変わってしまう場合があります。

縮みについて

製品染めを行うと大抵の服は縮んでしまいます。(例外として既にハードな洗い加工がしてあるデニムなどは縮みが発生しない物もあります)縮みは商品の縫製仕様によって大きく違ってきますのでどの程度縮むかは 事前に判断出来ません。 Tシャツなどのシンプルな縫製の物は比較的縮みが少なくジャケットなどの複雑な縫製の物は縮みが大きく発生致します。また裏生地の付いてる物は縮率の違いで型崩れが発生するのでお勧め出来ません。

色落ちについて

製品染めの色落ちに関しては完全に防ぐという事は出来ませんが、 通常の使用に関して問題ないレベル までは仕上がります。(染め上がり直後のお洗濯を1~2回目まで単品で洗う方法がお勧めです)
特別色落ちのない仕上がりを望まれる場合はフィックス処理と呼ばれる色止め加工を行う方法もあります。
こちらの加工は別料金が発生し若干の風合いの硬さが出ますので強くお勧めするものではありません。

付属品について

染めたくない場合には、取り外してお送り下さい
染め直し屋の染色は染色機で服全体を染めます。 服の付属品も一緒に染まってしまうことがあります。(刺繍、ボタン、ベルト、バックル等)もし、付属品を染めたくない場合には、取り外してお送り下さい。こちらで取り外すことも可能ですが、(無料)取り外しが複雑な場合、染め後に取り付ける場合は別途料金が発生します。

色ムラについて

品物に特別な加工がしてあった場合、繊維の中にうまく染料が入っていかないことがあります。
その場合想定していた色目にあがらないことや、部分的に極端に色ムラが出てしまうことがあります。
染め直したことで、繊維の中の汚れが浮かび上がることによって色ムラになることもあります。
もう一度染め直すことで対応いたしますが、完全に直ることを保障することはできません。

その他注意事項

染め直しについては原則ノークレーム でお願いしております。
お客様との事前の確認を充分行ってから進めてまいりますが染色に関しては実際に染めてみないと解らない要素が少なからずありますので、完全にご希望に沿う形で染め上げる保障は出来ません。また 1度染色した商品を元の状態に戻す事も不可能です。 弊社の経験・技術を駆使して誠意をもって対応させて頂きますので上記内容についてご理解いただいた上でお申し付け下さい。

染め替えについて

染め替えとは元の生地の色とは別の色に染めることを指します。

生地の色と縫製糸の色の不一致

最もご依頼の多い綿100%の染め替えを例にします。洋服の縫製糸はポリエステル糸を使用していることがほとんどで、綿の染色方法で染め替えた場合、縫製糸が元の色目のまま残ってしまいます。生地の色と縫製糸の色が大きく違うため、あえてそうするのであればともかく、全体を単一色で染めたい場合に想定するような仕上がりになりません。

生地と縫製糸を同じ色目に掛けなおすには、まず最初にポリエステルだけを染める工程が別途必要なため追加料金(ポリエステル染め+綿染めの計2回分の料金)がかかります。

なお、すべての洋服がポリエステル糸で縫製されているわけではありません。中には綿糸が用いられているものもあります。

洋服の生地と縫製糸の素材の組み合わせによってはこの問題を回避できる場合もあります。1回の染め替えで縫製糸が染まるか否かの表は以下の通りです。

1回の染め替えで縫製糸が染まるか否か
染め直し素材 ポリエステル糸 綿糸
綿 ×
×
ポリエステル ×
ウール × ×
ナイロン ×
シルク ×

△ …… 生地の色と糸の色が同じ色に染まらない場合があります。

表地と裏地の色の不一致

例えば表地が綿100%、裏地がポリエステル100%の製品を染め替える場合、表地の綿を染めようとすると裏地の色が元の色目のまま残ってしまいます。この例の場合で表地と裏地の色を同じ色にしたい場合は、ポリエステル染め+綿染めの2回に分けて染める必要があるため2倍の料金がかかります。
また、その場合でも表地と裏地の色をまったく同じ色にすることは原理的に不可能なため、話し合いの上で妥協点を探ることになります。

実際の場面においては表地と裏地の素材の組み合わせは何通りも考えられるため、詳細についてはお問い合わせまでお願いいたします。

なお、「表地の色だけ染め替えられたらいい。裏地の色が元のまま残っても特に問題ない」というお客様については、これらのことについて考える必要はありません。

混紡素材の染め

片染め両染めの選定

複数の素材が混紡している衣類の染め替えについては染める染料が異なる場合には
一つの素材だけを染める 片染め か複数の素材を染める 両染め かをお選び頂く必要があります。

染色料金

両染めの場合の染色料金はそれぞれに ¥5,000+¥200/100g で計算されますので
料金は片染めの 2倍 必要となります。

例)綿50%ポリエステル50%の白Tシャツ200gを黒に染める場合
A 綿のみ片染めにする場合 染色料金¥5,400
B 綿ポリエステル両染めにする場合 染色料金¥5,400×2=¥10,800

仕上がりの違い

Aの片染めTシャツはポリエステル50%の部分が白く残ります。
またポリエステルの縫製糸も白のままです。
Bの両染めTシャツは縫製糸も染まりTシャツ全体が黒に染まります。

繊維による染料の違い

繊維による染料の違い
繊維が違っても同じ染料で染まる素材については
片染めで染め上げる事が出来ます。素材別で使用する染料を
下記に記載致しますので参考にして下さい。
  • 反応染料で染まる繊維

    綿・麻・レーヨン(その他・植物系天然繊維 ヘンプ等)

  • 酸性染料で染まる繊維

    ナイロン・シルク・ウール(その他・動物系天然繊維 カシミヤ等)

  • 分散染料で染まる繊維

    ポリエステル

  • カチオン染料で染まる繊維

    アクリル

繊維別・解説

反応染料で染める 植物系天然繊維のグループは
染め直し屋で一番多くご依頼頂くケースになっています。このグループの繊維は染め替えによる縮みが少なく(レーヨン除く)、染色事故も少ないので特にお勧め出来る素材です。 それぞれの繊維で染料の吸収が違いますので混紡品を染めると多少の濃淡が出る場合もあります。一般的には下記の様な差になります。

レーヨン>麻>綿
酸性染料で染める ナイロン・シルク・動物系天然繊維のグループは
染色性はとても良いのですが高温で染める為に縮みが大きく発生するので製品染めにはあまり向かないグループになります。 また動物系天然繊維のウール・カシミア等の獣毛は風合いを著しく損ねますので染め直し屋では基本お断りしています。

分散染料で染める ポリエステルは
酸性染料で染めるグループと似た特徴を持っています。更に分散染料で染めた後には還元洗浄を行う必要がありますのでポリエステル以外の素材は脱色されてしまいます。この事からポリエステルの混紡品を両染めする際には先にポリエステルを染めた後に他素材を染めていく事になります。

ポリエステルの染色は還元洗浄が必要な為に他の素材染色より多くのリスクが発生致しますが、多くの製品で使われる縫製糸はほとんどがポリエステルの為に縫製糸を染めたいケースなどはリスクを承知で染める事があります。

カチオン染料で染める アクリルは
ウール・カシミヤと同じ様なリスクがある為に染め直し屋では基本お断りしています。
  • ベージュ

    白や淡色衣類のシミ隠しに良くお選び頂く色です。ポリエステルの縫製糸を染めない場合、糸が白残りになります。その時にベージュの薄い色目は白糸を目立たなく仕上げます。

  • カーキ

    カーキは元色戻しで良くお選び頂く色です。色目の指す範囲が大きい為に細かい色指定は難しくなりますが大きく分けて緑系のカーキと茶系のカーキで決定します。

  • ブラウン

    シミ・変色を隠すのにとても有効な色として人気があります。
    多くの縫製糸の色と相性が良いのも人気の秘密です。

    • グレー

      黒はダメという場合に良くお選び頂く色です。ほとんどのシミ・退色を隠す事が出来ます。元色が濃い場合は黒に染まるリスクもあります。

    • ブラック

      圧倒的人気のカラーです。
      すべてのトラブルを吸収出来る非常に優れた染め直しカラーで大人気です。

    ページ上部へ戻る